近江の春「びわ湖クラシック音楽祭2018」公式サイト|滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール

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【特別コラム】 ピアニスト・小川典子が描く《響きの美》の世界 オヤマダアツシ

 どのような弱音であろうと、音の粒子ひとつひとつが明快に響き、粒子の集合体である和音もまた、純度の高いナチュラル・ウォーターのようにピュアな存在であり続ける。小川典子が弾くドビュッシーを聴いていると、解像度が高く、繊細な色彩や輪郭を美しく映し出すスクリーンで、幻想的な風景を見ているような感動をおぼえる。

 その演奏は決して曖昧模糊とした印象主義の絵画を再現するものではなく、光と影のコントラストや大胆な彩色、そして精細な線が作り出す歌川広重の浮世絵(風景画)を思い出させるものだ。ドビュッシーとは音楽的に密接なつながりのある武満徹の作品についても、小川は同じアプローチで音楽を解きほぐし、ひとつの形を創り上げていく。

 さて、イギリスのロンドンを拠点に世界各地で演奏を行う小川だが、今回の「近江の春」ではイギリス・クラリネット界のマエストロである、マイケル・コリンズとの共演が実現。彼の演奏は実に表情が豊かであり、音楽がドラマとなって奏でられるという雄弁なものだ。小川のピアノとどういった対話が繰り広げられるのか(イギリス英語の音楽?)、吹奏楽ファンも含めて必聴のひととき。

 ところで小川は、出身地である神奈川県川崎市のミューザ川崎シンフォニーホールでホールアドバイザーを務め、夏には子供たちに大人気のコンサートも行っている。また自身のホームステイ体験を機に、自閉症などの難病を抱えている患者の家族へ、ひとときの安らぎを提供する音楽会「ジェイミーのコンサート」を日本やイギリスで何度も開催。そうした活動もまた、彼女の大切なキャリアとなっている。今年の11月には、世界的にも注目されている「浜松国際ピアノコンクール」において審査委員長を務めるなど、教育者としての信頼も厚い。

 さらなる円熟への階段を一歩、また一歩と昇っている小川典子は、やはり"いま、聴くべきピアニスト"なのだ。

                                      オヤマダアツシ〔音楽ライター〕

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 小川典子さんの演奏は、下記公演でお楽しみいただけます。        小川 典子.jpg

【公演番号 4-S-2】

 円熟を聴く 小川典子(ピアノ)

 開催日時  5月 4日(金) 11:00~11:40

 会場     びわ湖ホール 小ホール

 公演詳細は、こちらをご覧ください。

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【公演番号 4-M-3】

 マイケル・コリンズ(クラリネット) 小川典子(ピアノ)

 開催日時  5月 4日(金) 15:45~16:30

 会場     びわ湖ホール 中ホール

 公演詳細は、こちらをご覧ください。

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