近江の春「びわ湖クラシック音楽祭2018」公式サイト|滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール

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【特別コラム】アンティ・シーララ 「地中でじっくり育まれた音楽の、輝かしい味わい」 高坂はる香

 10年近く前、シーララを彼の祖国フィンランドに訪ねてインタビューしたことがある。北欧の国の中でもフィンランドだけは全くタイプが別だというので、どんなところが違うのか聞くと、こんな答えが返ってきた。

「他国には領土を増やした戦の歴史がたくさんあるけれど、フィンランドにはそういうものがありません。フィンランド人は例えるなら......地中でじっと育つジャガイモみたいに過ごしてきた民族なんです。例えばノルウェーのグリーグとフィンランドのシベリウスを聴き比べてみたら、すぐに違いがわかるでしょう?」

 そういって笑ったシーララは、シベリウスの音楽が持つ重みと懐の深さをこよなく愛し、誇りに思っているようだった。「一瞬にしてすべてをさらけ出すような音楽より、少しずつ探っていく音楽のほうが好き」だという。

「近江の春」のリサイタル公演も、シベリウスの小品で幕を開け、ショパンの後期のマズルカ、ベートーヴェンの「ワルトシュタイン」と、深く豊かな内容を持つ作品が並ぶ。彼のベートーヴェンはこれまでにも高く評価されてきているが、2013年からゲルハルト・オピッツの後任としてミュンヘン音楽大学教授に就任し、ドイツで教える経験を重ねたことで、その理解に一層磨きがかかっていることだろう。

 シーララのピアノには、必要以上に派手な表現でアピールするようなところはない。ゆっくりあたためた音楽を、澄んだ輝かしい音と骨太なピアニズムで、まっすぐに届けてくれる印象だ。その誠実さは、フィンランド人ならではの気質にも由来しているのかもしれない。

 ロンドン、ダブリン、リーズと主要国際ピアノコンクールで次々と優勝して注目を集めてから、15年の歳月が経った。今回の来日は3年ぶり。堅実な演奏活動を通して地中で育まれた音楽は、今、どんな味わいとなっているのだろうか。

高坂はる香〔音楽ライター〕

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【公演番号 4-L-2】

 アンティ・シーララ(ピアノ) 大植英次(指揮) 大阪フィルハーモニー交響楽団4L2_アンティ・シーララ_1(c)Volker Beushausen_edited.jpg

 開催日時  5月 4日(金・祝) 14:15~15:15

 会場     びわ湖ホール 大ホール

 公演詳細は、こちらをご覧ください。

【公演番号 5-M-2】

 アンティ・シーララ(ピアノ)

 開催日時  5月 5日(土・祝) 12:30~13:15

 会場     びわ湖ホール 中ホール

 公演詳細は、こちらをご覧ください。                                                      

                                              

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